晴れ

 良い天気だ。昨日はぼんやりと街を歩き、陽に当たった。こんな日は自然に眠くなるものだと思ったらそうはいかず、いや自然に眠ると思ったのが、パカンと目が醒める。これは久々に頭が冴えて眠れないかと思ったが、未明にならず眠った。火照るというほどでもないが、体に熱がこもった感じだ。ちょっと飲むビールやカンパリペリエでもあればと思ったが、まだその季節だとは思っていなかった。夜闇のなかでペリエの水割りを飲み音楽を聞いていた。夢は見ただろうか。覚えていない。そういえば昨日歩きながら、ふと何日か前に見た夢を思い出した。付き合ったというほどの女性ではないが、以前の仕事関係の知り合いの女性でインドが好きな子がいた。彼女がいつのまにかインド関連の学者になっているというものだった。リアルな彼女がどうしているかは知らない。主婦とかになるタイプでもないし、男と暮らすタイプの人でもないように思うが、女というのはそう見えてそうでないのが普通でもあるなと思った。そう思いつつ懐かしい街の光景を見ていると自分の意識がタイムスリップしている。それどころか、私は本当に目覚めているのか、夢ではないのか、私は生きているのだろうか。死後の意識というものがあって、実は今がそれではないかという幻惑感があった。