日経春秋 春秋(3/19)

 些細なこと。

クレージーキャッツ植木等さんが歌った「スーダラ節」だ。この不世出のコメディアンが没して、今月末で2年になる。

 「不世出」という言葉を使う人が増えたように思うな。なぜかな。

ご本人は戸惑っていたらしいが、一連のお気楽ソングは時代の気分を色濃く映していた。「スーダラ節」の発売は1961年夏。戦後日本はまさに伸び盛りで、サラリーマンの収入も右肩上がりが当たり前のころだ。たとえば電機連合の記録を見ると、傘下の組合はこの年、平均15%の賃上げを獲得したという。

 厳しい時代だったのだけどね、意外とこのコラムはあの時代を知らない若い人が書いたのかな。