日経春秋 春秋(2/17)

川端康成の短編「眠り癖」の中に、「眠っちゃいやだわ。初めのうちは眠りはしなかったじゃないの」と女が恋人に訴えるくだりがある。政治家にとっては大臣の職が大事な恋人だろう。それなのに、財務相には空虚と倦怠が忍び寄ってしまった。眠り癖がついたら恋はもう終わりである。

 恋、じゃぁないんだけど、まあ、卓越したユーモアでした。