ガザ侵攻なんだけど

 ⇒極東ブログ: 初笑い、今年の予測

近々、イスラエル軍のガザ侵攻に関するエントリーも書いてください。お願いします。
投稿: リクエスト | 2009.01.05 09:01

 アメリカの動向や、ハマス支援国家の動向が、どうも変なところがあってよく見えない。
 もちろん、イスラエルの内政の要因は大きいので、そのあたりで外信的な記事が書けないわけではない、のと。
 それと、基本的に、こんな戦争はやめろよというのはベタな正論だし、こうした状況下での戦闘はジェノサイドを誘発しかねない。
 これはこれで正しい⇒asahi.com(朝日新聞社):「ガザ攻撃中止を」井上ひさしさんらが緊急アピール - 社会
 で、後者についてはかなり危機感があったのだが、冷静に見るとイスラエルの配慮はいまのところあるようにも見える。
 このあたりの見極めと全体図が見えない。全体図なんかないのかもしれないのだけど。
 ただ、ヒズボラの動きが、変と言えば変。
 ⇒イスラエル、ヒズボラ警戒を強化 : NIKKEI NET(日経ネット):国際ニュース−アメリカ、EU、アジアなど海外ニュースを速報

イスラエルのバラク防相は3日夜、パレスチナ自治区ガザで同国軍と交戦中のイスラム原理主義組織ハマスに呼応し、レバノンイスラムシーア派組織ヒズボライスラエルを越境攻撃する恐れがあるとして、北部国境付近の警戒を強化したと明らかにした。

 アラブ全体としては⇒イスラエル:ガザ地上侵攻 アラブ諸国に無力感 対ハマスで乱れ、「支援」連帯できず - 毎日jp(毎日新聞)

イスラエル軍パレスチナ自治区ガザ地区への地上侵攻を受け、アラブ諸国はこれを「侵略」だと非難するとともに、停戦決議を取りまとめられない国連安保理に対し批判を強めている。ただこうした批判の裏には、イスラム原理主義組織ハマスを巡り穏健派と強硬派に割れるアラブ諸国の足並みの乱れがあり、「アラブの連帯」を体現できない無力感が透けて見える

 ここは日本では理解されにくいところなんだけど、アラブはベースとしては親アメリカだし、イスラエルの問題ではファタハに傾いている分がある。

 アラブ諸国が連帯できない背景には、パレスチナ自治政府を主導するパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハを支持するエジプトやサウジアラビアなどの穏健派と、ハマスを支援するシリアやレバノンイスラムシーア派民兵組織ヒズボラといった強硬派の間の温度差がある。

 そして。

 エジプトは人道物資と負傷者の搬送以外でガザ境界の開放を拒絶。これはアッバス自治政府議長の正統性を損ない、ハマスに有利な状況を作り出すと懸念しているためとみられる。穏健諸国には、ハマスやシリア、ヒズボラに影響力を持つイランへの警戒感も強い。
 ただ、シリアやヒズボラなどの強硬派もイスラエルに対抗する手段を持ち合わせていない。イスラエル側はヒズボラによる北部への攻撃を警戒するが、ヒズボラも06年夏の第2次レバノン戦争のような被害を招きたくないのが実情だ。

 ヒズボラはここで手を出すと痛手を負うという計算はあるのだろうと思うしそこをオルメルトが読んでいるのだろうけど、いずれにせよこの構図を米国を出し抜いてやっているわけもない。ブッシュ政権は当然として、この米国の合意の部分でオバマ政権とどういう関わりになっているかが、読めない。オバマ政権を試しているという読みもないわけではないけど、それはないだろうと思う。
 というわけで、そう遠くなく、オバマ政権側で蓋が開き、多分、クリントン爺が動き出すのではないかな、そのあたりの、古くさいオチになるのか。
 ただ、それでも今回の絵柄は違うように思うのがまとめづらい。
 
 ちょっとだけ踏み出して言うと。
 ⇒イスラエル:軍、ガザに地上侵攻 数千人、北部で激戦 - 毎日jp(毎日新聞)

 地上侵攻は05年9月にガザからイスラエル軍が撤退して以来、最大規模。イスラエル軍報道官は同国へのロケット弾攻撃を封じ込めるためハマス軍事部門を解体することが目的と説明している。

 ハマスというのは政府そのものではないし、パレスチナは実質主権国家なのだから、そのシビリアンコントロール外の軍事部門を持つというのはおかしなことだし、国連的にもヒズボラ同様、そこの調停的な作用がないといけない、というか、武装解除から話会い、そして和平というか。別の言い方をすると、実際には別の主権国家の傀儡になっている(もちろん、米側の傀儡というのもあるにせよ)。
 ジンバブエが困った例だけど、アフリカの自治に任せる、南アなんとかしてよという間に大量死が進行して国連は手を出せない。イスラエルはもうなりふりかまわず泥を被るというのはそれなりの追い詰められにも見える。いや、これはかなり追い詰めたんだろうなと思う。このあたりのイスラエルのやり口って背筋が凍るものがある。
 ⇒CNN.co.jp:ジンバブエのコレラ死者、1500人突破と WHO

 世界保健機関(WHO)は29日、アフリカ南部ジンバブエコレラ感染者が前日までに2万9131人に達し、1564人が死亡したと発表した。コレラ被害は同国全土に広がっており、隣国の南アフリカにも影響が及び始めている。
 経済が疲弊し、ムガベ大統領の独裁政権下にあるジンバブエでは、8月からコレラ感染者が増加。首都ハラレですら上下水道が整備されておらず、感染拡大は収まる気配を見せていない。
 コレラ感染者は最大で6万人に達するとの予測もある。

 極めて危険な状態。
 でも⇒CNN.co.jp:「コレラは旧宗主国、英国による大量虐殺」 ジンバブエ閣僚