日経春秋 春秋(10/4)

漂う空気に敏感だからだろうか。子供たちは同じ空き地でも、無意識のうちに遊び場を選んでいる。いよいよ工事が始まるという現場を発見しては忍び込み、残された自由時間を惜しむように駆け回る。運び込まれた建材が格好の遊具となる。赤さびた古井戸のポンプが番人のように立つ土地は怖くて近寄らない。

 そうでもないが。