朝日社説 無差別殺傷―この連鎖を断ち切らねば : asahi.com(朝日新聞社):社説

 特効薬がないとしたら、事件を誘発しそうな問題点や社会のひずみ、矛盾などをできるところから減らしていくしかあるまい。
 まず考えたいのは、人間関係が希薄になっている世の中で、孤立感を深める人が増えているということだ。
 仕事や生活でうまくいかないことがあっても、だれもが犯罪に走るわけではない。相談する人さえいれば救われることも多い。家庭や学校、職場で、人とのつながりが持てれば、犯行を思いとどまることもあるだろう。
 二つ目は、人々が少しでも安定した暮らしを送れるような社会にできないかということだ。日本では高度成長期のような明るい未来像を抱きにくい。不安定な仕事だったり、極端に給料が安かったりすれば、なおさらだ。そんな状況が、自暴自棄になる人を生む一因になっているのかもしれない。
 教育の取り組みも必要だ。どの事件の容疑者も、刃物を向ける相手への想像力に欠け、痛みに思いが至っていない。そんな人間をこれ以上生み出さないためには、命の大切さを幼いころから時間をかけて学ばせるしかない。
 親も子どもの成績ばかりでなく、人間としての心が育っているかどうかに目を向けることが大切だ。

 通り魔殺人とはまったく関係ない話の展開になっている希ガス