朝日社説 タクシー再規制―緩和の本旨に立ち戻れ

 しかし多くの地域では、台数が増えても全体の売り上げは減少した。苦しくなった業界は昨年から、全国90の運賃ブロックのうち約50地区で運賃を値上げした。これが逆効果だった。たとえば東京では、12月の値上げから5カ月連続で営業収入が前年同月を下回った。乗客から敬遠されたのだ。

 予想はされていたのですけどね。

 それにはまず、営業の悪化が運転手の処遇に一方的に押し付けられないようにすることである。歩合給の割合を引き下げ固定給を上げさせる規制を導入したらどうか。あるいは、無理な長時間運転をさせるような会社は、減車させたり営業許可を取り消したりする仕組みは考えられないか。

 その結果も予想できるのですけどね。

 同時に、運賃やサービスの内容をもっと自由にすべきだ。02年の規制緩和で台数は自由にしたが、運賃や営業方法の自由化には業界の反対が強く、規制を残した。業界規制の緩和が不徹底だったことが、ゆがんだ増車競争を生むことにもなっている。

 その結果も予想できるのですけどね。

 様々な運賃体系やサービスに業者自身が知恵をしぼり、顧客にとって魅力あるものにする。料金が高くなりすぎて客が減ったのなら、料金を自由化して納得が得られる水準をさぐる。それができない業者は退場する。そうした自然の流れを活用したらいい。

 結局シバキ、と。
 タクシー問題は、ギリシア式解決法があるのだけど。