日経春秋 春秋(6/5)

実は、花ではなく葉に目を凝らした。塚谷裕一・東大教授が、岩波書店の月刊冊子「図書」に書いていた話を確かめるためだ。「裏しかない葉と広重の錦絵」と題した随筆によると、花菖蒲の葉は面が1つしかないという。平らで2面あるじゃないか、と思うのは素人の浅はかさで、あれは両方裏面なのだそうだ。

 私は長いこと「図書」を直接購読していた。「波」とかあと筑摩も。最近はどうだろうあの手の小冊子は。そういえば、紀伊國屋の虫でもあったな、私は。