微量に批判

 ⇒404 Blog Not Found:News - ガキにはケータイ持たせるべからず言う前に

何をするべきか、何をするべからずかグダグダ言う前に、まず先立つものをなんとかしろよ。

 ぶくま⇒はてなブックマーク - 404 Blog Not Found:News - ガキにはケータイ持たせるべからず言う前に
 
 で、元エントリだけど、子どものケータイを持たせるべきかという問題と日本国は教育にもっと公費を充てろよという問題がごっちゃごちゃ。
 前者の問題が、後者に包括されるという前提でもあればまだだけどというか、そういう前提を強いている主張だけど。
 つまり、よくあるごみ箱議論、ガベージ議論になっている。
 せめて、問題を切り離したらどうだろうか。
 でないと、ケータイを持たせるかどうかという問題が消えてしまう。
 たぶん、ネット的にはというか、はてな的には、「ケータイをガキに持たせない、あんたたちバカですかFA」ということなんだろうけど。
 そしてそれはそうなんだけど。
 あのですね、問題の深層は、たとえば「そういうバカなことを言い出す勢力ってなんだよ」ということであり、もうちょっと言うと、「バカだなFA」という前にそういう実質政治勢力をもっているグループをどう了解するかという問題なんですよ。
 っていうあたりで、元エントリ、すごく外しているのわかるでしょ?
 でややソース近く⇒livedoor ニュース - [教育再生懇談会]小・中学生の携帯使用を制限 報告に盛る

こうした意見を踏まえ、報告書には(1)小・中学生に携帯電話を持たせない(2)機能を通話と居場所確認に限定する(3)有害サイトへの閲覧制限を法的に義務付ける――などの内容が盛り込まれる見通しだ。

 ほいで。

 ただ、(1)に関しては実効性が問題視されており、(2)の携帯電話は商品開発が進んでいない。(3)には「表現の自由」との関係で異論がある。

 ということで、実効性ないなあということ。
 問題をさらに遡及すると。

 町村信孝官房長官は会合で「携帯を使った犯罪に子供が巻き込まれている以上、ある程度の規制の検討も必要だ」と明言。出席者からは「携帯依存症が懸念される」など携帯電話所持に否定的な意見が相次いだ。

 公にとってどのような利害があるかということだけど、携帯依存症は意味不明だけど、「携帯を使った犯罪に子供が巻き込まれている」という状況はおそらく事実認識としてはかなり説得力があるんじゃないですかね。
 で、くどいけど、そういうふうに問題の原点があるとき、これに「教育に国費を当てろ」という議論が当たっているかと、失当でしょ。
 あるいは、教育に国費を充てることが携帯を使った犯罪に子供が巻き込まれている状況を改善するという議論でないと。
 でも、それってかなりべたに違うのでは。
 
 あと、ケータイを持たせている親の状況というのがあるな。
 ちょっと皮肉にいうと、ケータイ利用の失費が出せる親というのはすでに教育費の一環みたいなわけで、その意味で民間セクターの余剰性がありそう、なのに、ここで国家が出て、税金を配分せよ=税を上げて国家統制を強化せよとくるのは、その意味でも違うと思うけど。
 

補足
 なんかごく基本的な部分が理解されていないっぽいので補足。
 まずこのエントリの全体構成は、元エントリの議論が成立してないでしょという批判です。
 で。
 当の問題は、問題なのか、疑似問題なのか。
 問題は問題でしょ、と。
 なぜか。
 まず該当問題を構成する了解、あるいは了解によって該当の問題がどう構成されるかという特徴付けが必要になりますよ。
 それはどうなのか? こんな感じではないのですか、と。

  1. 子どもがケータイを持つことで犯罪など社会的・公的な問題がある
  2. その問題に対して子どものケータイを除去しようとする政治勢力がある(そしてその反作用の勢力がある)
  3. 子どもがケータイを持つのは子どもの選択であるより余剰を持った親たちの選択である

 そうした了解によって特徴づけられる問題に対して、どう議論を組み立てますかということ。
 で、私見として3点目について少し言及しただけ。というのは、この問題は、その了解自体が、教育と国家支出の問題ではないことを自明にしているのでは、ということなので。
 

追記2
 ⇒応答みたいな独り言 : 2008-05-19 - uumin3の日記

 こういう見方はナイーブ過ぎるっていわれてしまうかもしれないのですが、以下の教育再生懇談会の人たちがある一つの政治的勢力を形成しているとか、もしくはそういう政治的勢力に利用されているとか、そういう読みは私にはありませんでした。

 ああ、なるほど。
 なるほどというのは、私としてはそういう誤解だったのかということです。ちょっと補足しますね。
 私は、この懇談会=政治勢力、と見ています。つまり、国家にオーソライズされた諮問機関=政治勢力、ということです。
 それ以上でもそれ以下もまるで考えていません。
 つまり、特定のイデオロギー集団だとも見ていません。
 で、先に追記したのですが。

 ここに挙げられている方々の言動をほとんど一人も知らないというのもありますが、最初から偏向を疑ってかからなくてもと思うほうでして、ですからfinalventさんが「問題の深層は、たとえば「そういうバカなことを言い出す勢力ってなんだよ」ということであり」と書かれていたのに少々驚いたというのがあります。

 弁解みたいに聞こえるかもしれないけど、「たとえば「そういうバカなことを言い出す勢力ってなんだよ」」というのは、私がそれがバカだと見ているのではなく、それをそう見る人もいるでしょう(というかよく見かける)という一例として見ているだけです。
 ただ、私自身は、この人たちの見解はあまり賢くはないというか技術的ではないなとは見ているので、バカだなあ心情に近いので、ちょっとそのあたりの間接話法が明示的ではなかったかもしれません。
 率直なところ、そのこの政治勢力になんらかのイデオロギー的な偏向があるかについては考えたこともなかったですよ。そして今でもないんじゃないか、わからないなと思っています。
 くどいけど、私は技術志向の人なんで技術的に可能でない議論って意味ないんじゃないかくらいです。