日経春秋 春秋(4/17)

中高生のおしゃべりのたぐいだろう、などと見過ごしてはならない。そこは悪意と不道徳がまかり通る無法地帯だ。個人攻撃の書き込みだけではない。正視に堪えぬ画像が投稿される掲示板がある。女生徒が不用意な自己紹介写真を張り付けているサイトもある。この罪深さを、さて大人は分かっているだろうか。

 ピントが外れている感はあるのでクリップ、と。

重松さんの小説で、主人公は級友と闘った末に転校する。「あんな連中と付き合うのはセイシュンのむだづかいだ」。そして表題作の「ナイフ」では、ふがいない父親が息子をいじめから守り抜く覚悟をする。子どもも先生も親も、そういう勇気を持つしかない。ハブるべきは闇のサイトだと意を決するしかない

 別段そんなに闇のサイトということはない。そして時たま見せしめにつり上げられた若者はチキンしかいない。というか、なんかそういうルーチンでこなせなくなりつつあるのだろうな。