日経社説 パキスタン政局、霧晴れず

 しかし、連立で政府をつくる反ムシャラフの2大政党がどこまで一致して行動できるのか不透明なところがある。
 暗殺されたブット元首相が率いて総選挙で第1党となったパキスタン人民党とシャリフ元首相が率いる第2党のパキスタンイスラム教徒連盟シャリフ派はもともと互いに政敵だった。亀裂が浮上すればムシャラフ大統領が一定の力を保ち続けることも考えられる。大統領と連立政府の間の駆け引きが今後の焦点だ。
 国際社会にとって当面の最大の関心事はテロとの戦いの行方である。ムシャラフ大統領は米国に協力的だったが、連立政府は武装勢力との話し合い重視路線を打ち出す可能性がある。
 宥和(ゆうわ)政策で国際テロ組織アルカイダタリバン武装勢力を抑えられるのか。不安が残る。

 それはシャリフが動き出した時点でわかっていたこと。
 ムシャラフをバッシングすればそれで民主化が進むと考えるのは、シャリフが過去何やってきたかを知らなすぎる。