毎日社説 社説:宙に浮く年金 不信解消の道がまた遠のく - 毎日jp(毎日新聞)

 エンドレスの作業に国民があきらめてくれるのを待っているのなら、もってのほかだ。政府が行うべきはまずメリハリをつけた行程表を示すことだ。混乱の極みを招いた責任者の処分もうやむやのままである。国民は公的年金制度が果たして持続可能なものかどうかに疑いを抱いている。国民が制度を相手にしなくなったら、年金は元も子もなくなる。

 この作業は舛添が勘違いしていたようにもともと公約なんかできる問題とは言い難いようだ。であれば、行程はそれなりの含みが必要だ。また責任者の処分もだが、組織という仕組みとその運用の改善をして、むしろこれからこの制度を若い日本人に支持されるものに改変していく作業のほうを優先すべきだ。「年金は元も子もなくなる」という新聞が主張するとき、それは若い人には団塊世代より上の人の利権に聞こえてしまう。