朝日社説 武藤氏不同意―「困ってます」では困る : asahi.com:朝日新聞社説
この異常事態の背景には、二院制の制度的な不備があるかもしれない。
衆参両院の意思が異なった場合、首相指名や予算案などは衆院の議決が優越するし、一般の法案でも衆院での3分の2の多数で再可決することができる。
だが、日銀総裁などの同意人事には、そうした打開のための規定がない。
歴史的には同意人事にも衆院の優越規定が存在していた。会計検査院の検査官や公正取引委員などは当初、その規定が盛り込まれていた。
それが法制定後まもなく、参院重視の見地から改められ、最終的には99年の会計検査院法の改正で衆院の優越はなくなった。これを主導したのが参院自民党だったのは皮肉なことだ。
総裁らを同意人事の対象とした97年の日銀法の改正でもそれを踏襲した。