朝日社説 米兵釈放―それでも事件は消えない : asahi.com:朝日新聞社説

 だが、捜査は打ち切られても、疑いが晴れての釈放とはまったく違う。強姦(ごうかん)の容疑を否認し続けた米兵自身も、取り調べに対して「少女に関係を迫った」ことまでは認めた。米兵のしたことは決して許されない。

 主張はわかるのだが微妙な問題がある。「関係を迫った」ことだが、それが「決して許されない」に至るには2つのパスがある。1つは「少女が拒んだのに」であり、これは確定しているので、朝日の言い分は正しい。もう1つは「14歳なのに」であり、国際的には注目されが、ここを朝日はなぜか論じていない。
 日本の場合、性的同意年齢はなぜか13歳なのだが、
 ⇒性的同意年齢 - Wikipedia
 が、一般的には18歳と見てよい。この了解の意味合いは国際的には標準的だし、少女の落ち度とかいうネットの愚論はどうでもよく、親や未成年者への大人の責務は、それゆえにある。単純に言えば今回の事件では、われわれ大人にいくばくか責はある。
 もう一点は、法理としては、国法的には推定無罪になっていることだ。推定無罪ということは法理で無罪ということで、形式的には、米兵が冤罪になる。このあたりは異論もあるのかもしれない(が今回はそこがうやむやになる)。ただし、米国あるいは米軍側の動きもあり、これにどのような「罪」を当てるかは注視すべきだろう。無罪にはならないと思う。
 この問題、全体の理路としてはイデオロギーより沖縄の固有性と未成年の一般性が先行するのだろうと思う。