日経春秋 春秋(2/5)

一番乗りを競うようにまだ寒いうちに花を咲かせるのは、繁栄のチャンスをつかむ自然の知恵なのかもしれない。花粉を運ぶ虫たちは、そろそろ動き出す。まだ競争相手の植物の多くは眠っている。花粉を飛ばせば交配の確率は高いだろう。気温が下がり切った今こそ飛び出せと、DNAが囁(ささや)いているのだろうか。

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