日経春秋 春秋(2/2)

 これはちょっといただけない。「殺虫剤入り」はそうだし真相解明が求められるはそうだが、背景には中国の問題は大きい。そのあたりの感性がまるでない。
 それと些細なことを言うと執筆子、餃子を知らない感がある。

▼「どうして世の中にこんな旨(うま)いものがあったのか」と池部さんは随筆『天丼はまぐり鮨(すし)ぎょうざ』に書いている。Kが材料を説明したそうだ。豚、ニラ、白菜、ネギ、ちびっとしょうゆ、ごま油。「これ以上、凝った材料を使うと中国北方の悠久の大地に産れた歴史と雰囲気を失う」。

 餃子はむしろ野菜の香りを楽しむ食べ物なので、他の具も多い。茄子とか。
 豚のところはいわゆる肉といいうよりラードがポイント。なのでバラ肉。味はかなり豚脂と白菜で決まる。白菜は水をよく切る。