日経春秋 春秋(1/15)

▼「風塵抄」あとがきには「ひとびとに恒心がなければ、社会はくずれる」ともある。「恒産なきものは恒心なし」(孟子)。恒産と期待する年金が消えれば、引退者は恒心を失う。司馬さんに従うなら、年金危機の日本は「社会がくずれる」瀬戸際に立つのだ。国会は、そんな切迫感をもった議論をしなければならない。

 いやもっと切迫感があるのはその年金を信じている世代は私より上の世代だけということ。