日経春秋 春秋(11/25)

 こういうのもテンプレなんでしょう。

録画装置の中で高速で回るディスクがある。舞台の上で踊り手を回転させ続けた振付師は、その対極の場所から世界を眺めていたに違いない。現代のネット文明は、人の想(おも)いすらも記号に置き換え、磁気や光の円盤に塗り込めようとする。画像の再生は日進月歩で精度が増し、装置の記憶容量は無限に伸びている。▼だが、忘れてはなるまい。デジタル技術の大皿からこぼれ落ちる、その場でしか体験できない感動もある。

 ちょっとなあ、おっさんおっさん。