快晴

 等圧線が込んでいて風が強くなるのかと思いきや逆で、秋晴れになる。というか冬に向かっている。今年も茸狩りとか行かなかった。街中はもうすっかりクリスマスだ。
 市場が混乱している。このまま混乱が続くのか。へぇみたいな感じはある。実際に自分の側にも損が回っているのだが、なんか慣れた。世の中金儲けのうまい人は今頃買い物をチェックしていてその人達がそのうちどっと動き出す、小さな昆虫みたいに。
 昨日届いた古書が変な臭いでというかアルゲンぽくてまいった。たばこ臭い古書もけっこう苦手だ。そういうことで捨てる古書もある。
 昨晩だったか夕方twitterをして、まあ、気軽にアレげな発言(率直に言えば実験的思考)して、まいどまいどのヨブ記の問題を考え、そして散歩して考え続け、空を見上げて、「つまりは被造物というか」とまた腹にずしんと来た。言葉で言えば大したことではない。なぜ私たちに、あるいは「私」に不幸があり、悲惨があるのか。この問いを問い詰めていけば、「なぜ私は存在するのか、存在しなければいいのに」となる。実際、ヨブは母の胎を呪った。神の答えは、「お前は被造物だ」である。またしても「お前を作ったのは私だ」ということだ。ここで微妙に存在と意味が乖離する。が、存在の根底は(ティリヒが言うように)神によって支えられている。
 腹にずんと思うには思うし、自分の人生の根幹というか存在の根幹において、そういうものだと思いつつ、秋風に忍び寄る愉快な悪魔たちに「それでいいんかい?」「おまえらも被造物?」と問うと、けらけら笑っている。「バカだな、お前あいつが神だと思ってんの?」とかいう。悪魔はなかなか仕事に熱心なものだ。私もなんとなく笑い、ぞっとするほど孤独を感じた。