朝日社説 首相と小沢氏 党首討論はどうした

 奇妙な社説。締めから見るに小沢を叩いているのだがその理路がよくわからない。率直に言うと朝日の腰が引けだして威勢の良い軍人さんみたいな雰囲気が漂う。
 少しフォローしてみる。

主張の違いをどう調整し、合意を見いだしていくか。そのやり方を話し合いたいという首相の呼びかけは、理解できる。
 2大政党のトップが腹を割って話し合い、歩み寄りの余地を探る。どちらかがどうしても実現させたい法案の話をしてもいいし、国会の同意が必要な政府関係機関のトップ人事が話題になってもいい。合意づくりのための一つの手法であることは間違いない。

 「理解できる」「間違いない」とたたみかけるのだが、私はまったく理解できない。国会というプロセスがあるしそれを使えばいいのではないか。あるいは合意にディテールが問題なら団体で交渉すればいい。なぜトップでしかもディテール抜きの、しかも密談が、「理解できる」「間違いない」なのだろうか。
 で、その後にこう続く。

 時と場合により、党首会談は大きな成果を生む。だが、あくまで国会の場で互いの主張をぶつけあうのが原則である。途中の議論を省いて結論だけを求めるのでは、民主主義が空洞化してしまう。

 であれば先の主張の流れとどう整合がつくのだろう。

その意味で、この党首会談を受けて、きょう予定されていた国会での党首討論が見送られたのは納得できない。すぐに再会談するからということのようだが、それが公開の場での論戦を避ける理由になるのだろうか。

 「論戦を避ける」というのは朝日のおっちょこちょいではないのか。ただ予定の問題ではないか。もちろん、民主党内部の問題はあるし、小沢の健康の問題もある。
 朝日のこの奇っ怪な焦りは何からきているかといえば、今朝開かれる各国大使の説得工作などとも関係があり、実際には日本の孤立化を恐れる心理でもあるのだろうか。
 もっと言えば、給油問題で朝日は日本がどうすべきか語っていない。そして偉そうな表層だけふいている。実際はダーティな自民にこの問題が早急に押し切られればいいという旧社会党的なスタンスなのではないか、つまり結果論として。
 そして結語で小沢を叩いているのだが。

 とくに小沢氏に問いたい。首相への代表質問にも立たず、党首討論もこのありさまでは、論戦から逃げていると思われても仕方ない。野党第1党のトップとしての責任を果たしてもらいたい。

 朝日がすべきことは朝日の理路を明確にして民主党支持ならそこに提言したらどうなのか。この件について小沢の瑕疵はないように思える。