ホワエグ対談?

 tano13さんコメント⇒finalventの日記 - 2007-09-12

tano13 『近年まれに見るネタが飛び込んできた日に、こんなネタでうだうだやられるのはご迷惑でしょうが、熱いうんこにもヒマがあればご教授頂けたらと思います。』

finalvent 『tano13さん、ども。ええ。ただ、コメント欄では扱うより、まず、まとまった見解をtano13さんの日記に書かれたどうでしょうか。簡単な話題でもありませんし。』

 そして。
 ⇒tano13の日記 - finalventさんへのホワエグについての質問

正規雇用と非正規雇用の待遇が同じであることが保証されないで、残業代なしになるから問題なのではないでしょうか?
 
正規雇用から離れると、非正規雇用にしか道はないかもしれない。そういう恐怖心がある中でノルマアップを迫られれば断れる人は多くないと思うのですが。
 
finalventさんは職を辞めることに恐怖心はないのでしょうか?だとするとこの問題がよくわからないのもうなずけます。恐怖心があるのでしたら、よくわからないというのがやっぱり自分には分かりません。

 ということで。

返信その1

tano13さん、こんにちは。エントリを立てていただいて、疑問の所在のようなものはわかった気がしました。ただ、「原理的には労働者全体で正規雇用と非正規雇用と同じように扱えればいいのではないか。」ということと「正規雇用と非正規雇用の待遇が同じであることが保証されないで、残業代なしになるから問題なのではないでしょうか?」は同じことではないでしょうか。同じ意見だというふうに思えます。
 それはそれとして、2点。
 1、ホワイトカラー・エグゼンプションがなぜ提起されたかという点の疑問および了解がなかった。
 2、「finalventさんは職を辞めることに恐怖心はないのでしょうか?」ないといったら嘘があるかなという感じはありますが、基本的にないです。それは明日死ぬかもしれない・働けないほどの病気になるかもしれない、という恐怖心のようなものな理論上同じという感じがします。別の言い方をすると売春を社員旅行でするような会社にいたら辞めることになんのためらいもありません。

返信その2

 ⇒tano13の日記 - 返信への返信
 まず。

時給に直したら、低い方に賃金が平均化されるから、同じようなものになるという意味でしょうか?

 この関連の再疑問ですが、私のほうで、これは単純な意味で、理解できませんでした。ただ、関連するかどうかわからないのですが、私は、同一時間同一労働は可交であるべきだと考え、補償も同一に考えます。正規雇用が終身だとも思えません。
 このあたりは、ちょっとうまく相互理解がいかないように思います。
 次に。
 この議論では、ホワイトカラー・エグゼンプションはてなダイアリーキーワード解説のように残業代ゼロという前提に進んでいきそうですが、どうも、そこには違和感があります。
 ということで、tano13さんは、これをお読みなり、ホワイトカラー・エグゼンプションの理解が変わりませんか?
 これ⇒finalventの日記 - どうもな
 次。
 1、ホワイトカラー・エグゼンプションがなぜ提起されたか?
 この背景は、グローバル化するなかで日本人のサービス業の生産性の低下の問題があります。この問題はあまり議論されないように思われます。
 2、職を辞めることに恐怖心はないか?
 繰り返しですが、私は、生きていけるだけのカネがあれば十分なのです。もちろん、その日暮らしでいいわけではありませんから、もし未来があるなら、その未来に対して考えることはいろいろあります。
 私は30代前半にこう考えたのです、いやな仕事もしなければいけないときがあるし、仕事は概ねそんなものだが、仕事によって自分を殺したように生きていることは私が生きていることにはならないだろう、と。貧しくても、無名でも無能でも、ああ、自分が生きているなという生き方をします。
 また、これもちょこちょこ書いていますが、観察するに、人は30代から40代にほんのちょっとしたミスで2000万円くらい失っています。そんなものです。そのレンジの賃金差みたいのはあまり気にしません。
 と。
 なんか話が噛み合わなくなってきたようですが。
 ホワイトカラー・エグゼンプション=残業代ゼロ、という前提で、続く話は、もう引きたいないなという感じがしています。
 ラフに書いたので、失礼な言い方があったがあったらごめんなさい。

返信その3

 議論を逃げるということではないのですが、この対談はひとまずここでお休みさせてください。理由は。

 ただ、サービス残業当たり前で守られてなかったものがホワエグでは徹底されるのか?という不信感はあります。
 finalventさんは純粋に法案としての妥当性を議論したい。ということであればそもそも法律がきちんと守られるのか?という不信感をベースにした議論は成り立たないのでしょうね。

 このあたりの発想は(またこれを言うとお前が理系かとか言われるのだろうけど)、ごりっと理念から考えます、というか、設計段階ではモデルを考えます。
 この問題はhamachanさんがすでに解いていることがわかったのですが、ようはtano13さんがご指摘されるように「不信感をベース」ということが核なので、労使調停ができればそれで終わりというのはあります。つまり、どうもホワエグ自体の問題ではないと理解してよさそうだ。
 加えて、ウィキペディアのノートにありますが、

法案要綱を読んでください。経団連の記事ではなく、ホワイトカラーエグゼンプションの記事ですから。なお、本制度は労働時間規制をなくすもの。勤務時間が自由になったうえ、休日は保護されているのです。 いまやこの制度は実効性が危惧されるほど労働者を強く気遣った設計になっているのですよ。

 というのが妥当だろうと思います。つまり、この法案はたぶんかなり無意味になっている。逆にいうと、だからお祭りも可能になっているということなのだ、と。(舛添もだから仕切り直しましょうという提起をしただけであって、そのくらい聞けばいいのに、メディアの編集にそのまま乗って騒ぎだすのはどういうもんだろ。)
 以上から、どうも、現状の話の土俵がうまく設定できないように思われます。というのが、お休みしましょうの理由です。
 話がずれて。
 この一連のtano13さんとの対話は楽しかったです。

 はてなキーワードレベルのうんこちゃんと思われてるなら少し悲しいです。

 まったくそう思いません。当初、コメント欄で書かれたとき、また、引っかけかなという疑心はありましたし、引っかかって晒しになってもいいやとも思ったのでしたが、懸念でした。tano13さんのお考えの態度というか、そういうと僭越ですが、とても誠実に思われます。対話というのはどのような立場であれば、そういう誠実さへの信頼がないと成立しないと身に染みて思います。
 逆に例えば⇒萌え理論Blog - パンがなければケーキを食べて、残業代が出なければ帰ればいい

当初のエントリから書き換えられているが、id:finalvent氏の主張は、舛添厚労相は母親を介護したから、イデオロギー云々に関係なく尊敬できる、というものだった。でもそんなの関係ない。桝添氏の人格批判をしているのではなくて*1、ホワイトカラー・エグゼンプション制度について、「家庭だんらん法」に言い換えを指示するという、極めて表層的でその場しのぎの対応を取ったから、批判されているのだ。しかし、finalventはまるでそれが理解できない*2。いわゆる「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」*3ではないが、「残業代が出なければさっさと帰ればいいじゃない」とでもいう態度の表明は、さすがアルファブロガーの余裕である。

 こういう誤解には応答不能です。しいていうと、批判対象のオリジナル・ソースも見てないできめつけただけじゃないですか。舛添といっしょにfinalventも屠ってしまえの悪意のようなものです。でなければ、オリジナル発言を検証したり、その後のこの対談の継続をフォローする誠実さがあってしかるべきでしょう。
 生産性の件ですが、引用されているのは、往時のR30さんの議論で、懐かしく思いました(育児大変でしょうね、今頃)。
 R30さんのこの議論ですが、妥当なところもあり、妥当でもないところがあります。

、「これに対し、労働生産性が著しく低いのは、「飲食」「商業」「生活支援サービス」の3つだ。」というのであれば、

 ですが、私の認識では、問題は「流通」にあると理解しています。もちろん、「流通」なのかということや、R30さんが否定した他の意見を評価する必要があります。
 なので、

ホワエグが「「企画、立案、研究、調査、分析」の5業務に限定」で「年収900万円以上」の人たちに適用されてどんなふうに「飲食」「商業」「生活支援サービス」業界の生産性の向上になるのか、よく分からんです。

 については、やはり土台の了解が先行します。
 ただ、ちょっとニヒリズムっぽいのですが、グローバル化が進めば、実際には、現在ホワエグを騒いでいる人達が特権階級のようになり、さらにひどい状態に置かれている人の問題が押しつぶすだろうと思います。私は、そういう解決でもしかたがないんじゃないかと思っています。
 れいよって手抜いた応答になってしまったようですが、要点は外してないかとも思いますので、ご寛恕ください。

エピローグ

 ⇒tano13の日記 - とりあえず最後の返信
 いい締め方をされて感謝します。
 もちろん、制度の問題(就業の厳しさ)と、個人の人生観(嫌な仕事は辞める覚悟をしなさいだの)とは位相が違いますし、それがわからないではありません。それどころか、議論の課題としてはまず前者であることもわかります。
 ただ、その問題は「ホワエグ=残業代ゼロ」という土俵からは進めません(実際適用としてその可能性がなかったと言いたいわけではありません)し、なにより、政治的な扇動が先行し、その扇動の領域化しているので避けます。
 (今回あらためて思ったけど、本来ホワエグはFLSA第7条との対応にあります。しかし、日本ではそうではありません。なにより、hamachanさんのような専門家が縷説しても、議論の土台にもなりません、というように見えます。)