毎日社説 韓国人拉致 アフガン安定への青写真を

 意外によく書けている。

 人質になったのは医療・教育支援のボランティアとして入国した韓国のキリスト教徒たちだ。先月19日に23人が拉致され、牧師ら男性2人は殺害、2人の女性は健康上の理由から解放された。
 タリバン側は当初、アフガン当局に拘束されたメンバーの釈放を求めていたが、これが難しいと見るや、アフガンに駐留する韓国部隊の年内撤退、キリスト教布教活動の停止などを条件に、全員解放を約束したという。
 この説明は、どうも納得しがたい。200人余りの韓国部隊はもともと年内撤退の予定だった。布教活動も実質的に止まっているのだから、韓国側が二つの条件をのむのは容易だ。他方、タリバン側は、国際社会に恐怖感を与えた「宣伝効果」を除けば、何も利益はなかったことになる。
 だから、身代金やタリバン拘束者の釈放をめぐる秘密交渉もささやかれているが、韓国側は否定している。3月にイタリア人記者が拉致された際は、アフガン当局がタリバン5人の交換釈放に応じ、米国などの強い反発を呼んだ。韓国側も今回、板ばさみの対応を迫られたようだ。
 だが、米国もレーガン政権時の80年代、イランに武器を売却し代金をニカラグアの親米ゲリラ支援に充てたことがある(イラン・コントラ事件)。レバノンの米人誘拐事件の解決に向けイランの影響力に期待したからだ。人質事件はきれいごとでは済まないのは、米国も知り尽くしているだろう。
 解放の経緯はともあれ、

 あと、タリバンとしては女性を人質にしていることへの内部からの非難もあった。