産経社説 【主張】元長官詐欺事件 総連の闇も徹底解明せよ

 またこれかと読むに、まあ、悪くない社説だった。

 検察の描く構図が詐欺事件に変わったとはいえ、仮装売買の疑惑が消えたわけではない。この取引で総連が果たした役割もきちんと解明すべきだ。
 朝鮮総連北朝鮮の統一戦線部に直結する組織として、さまざまな工作活動を行ってきた。原敕晁(ただあき)さん拉致事件には、総連傘下の在日本朝鮮大阪府商工会幹部らが関与し、昭和48年に失踪(しっそう)した主婦の2児が拉致された事件は、総連幹部が設立した都内の貿易会社が舞台になっていた。
 朝銀信用組合の破綻(はたん)の原因となった不正融資事件で、総連中央本部の元財政局長が警視庁に逮捕されたが、朝銀から総連に還流した巨額のカネが、どれだけ北に流れ、何に使われたかなど詳細は不明だ。
 国民が本当に知りたいのは、こうした疑惑だ。検察、警察当局は、朝鮮総連の“闇”に迫ってもらいたい。

 もうちょっと思うことはあるにはある。ある意味で参院選の争点というものがあるとすればこれなんだろうとすら思う。
 大衆を信じるということは政治的な立場において欺瞞となりやすい。吉本の「大衆の原象」というのはむしろ政治を捨象した人々の在り方だった。これはある意味で物理学的な発想であって現実的ではなく、現実の社会は権力の構造として考慮されなくてはならない。
 おそらくマスメディアは権力として機能している。ただ、これは一部の人がいうように自民党とか安倍政権が操作しているというほどのものでもないし、左翼が出版界を牛耳っているとかそういうものでもない。これは基本的にマーケット従属なのであり、マーケットの構造が変わりつつある現在、その限界は見えつつある。
 が、にも関わらず、私は、日本の大衆の直感というものをもう少し評価したい感じはする。