サバトポ

 
 枯れたような枝から新芽が出て葉を広げていくように
 ひさしぶりに湿って薫る土のなから小さな甲虫が出てくるように
 遠くにいる人の心が変わっていくのを
 ぼんやりと見ている
 
 異国のタイルのような青い空から
 ひび割れたように降りてくる糸のようななにかが
 私に降り注ぎ
 私は繭になる
 
 すべての物が変わっていくのに従いなさいと
 遠く白く星のように燦めく観世音菩薩が語る
 それが死と呼ばれる世界でも怖くはないと
 遠い祖先の一人の少女のようなマリア様が語る
 
 私にはわからない
 私は変わることが好きではない
 みな滅び
 みな生まれ変わるのを
 私には関係ないことのように
 見ていたいだけなのに