ログイン

 春らしいいい天気だ。25度くらい上がるらしい。ちょっとした初夏の様相か。
 このところ、結局毎日泳いでいる。いつまでこんなことが続くのかわからないが、なんとなく身体に若いころのある感覚がよみがえって、なんというのか切ないような幸せの感覚がある。木の芽や風を見ながら、ああ、みんな生きていると思う。若い人たちが騒がしく通り過ぎふと老いた自分があるなと思うが、奇妙なリアリティの欠落もあって、なにか自分が映画のなかにいるのか、若い日の自分が30年後の自分を想像しているのが今であるかのような。
 森有正だったか、晩年、というか死んでしまったので晩年だが、たぶん定期講義のためだろうか帰国していたときだろう、多摩川沿いを歩いているとき、若い日とのアイデンティティを痛烈に感じたという記述がある。ああいうものが自分にもあるだろうかわからないが、自分にもちょっとこのところそんな感じがないわけでもない。