朝日社説 シラク氏引退―「米一極」の世界に対抗

 よく言うよ。

 保守政界を代表するシラク氏は、大国の威信にこだわるドゴール主義の伝統を受け継いでいた。就任間もない95年9月、南太平洋で約4年ぶりに核実験を再開し、核戦力こそが独自外交を支えるという戦略観をあらわにした。各国はフランス産品の不買運動で反発した

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 逆に、最も輝いたのは02年から03年、イラク戦争に突き進む米ブッシュ政権に正面から異を唱えたときだろう。イラク攻撃に批判的な国際世論などを周到に読んだうえでの判断だったろうが、久々に「政治大国」フランスの存在感を世界に印象づけた。
 その後のイラクの惨状、中東情勢の不安定化を考えれば、真っ当な政治判断だったのは明らかだ。

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 シラク氏は地球環境、貧困、文化の多様性などのテーマでも積極的に発言した。グローバリゼーションの弊害を論じることは、アフリカなど旧植民地への責務でもある。

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