日経 春秋(2/8) : NIKKEI NET:社説・春秋 ニュース

知識だけでなく思考力も試すという難関校の入試問題は、大人にとってもなかなか難しい。社会科の定番「地図問題」をのぞいてみる。水田や畑を示す記号なら知っているが、桑畑や茶畑となると自信がない方も多いのではないか。さらに「なぜ桑と茶だけ別記号か」と問われても、直ちに答えは思い浮かばない。▼正解は「絹と茶は戦前の重要な輸出産業で一般の畑と区別したから」。地図記号とは経済や社会の変遷をも物語る。現在の日本地図に目を凝らしても、桑畑の記号を見つけるのは難しい。

 先日の蚕糞もだが、桑というのが忘れられたなと思う。桑と養蚕の感覚がわからなければ日本近代史の感覚もわからないだろうし、もうちょっと言えば、戦争という感触もわからないのでないかと懸念する。まあ、そのあたりは言葉面でぶいぶい言う人からまた略。
 参考⇒第 1 節 学部・学科と工業社会 : 第 1 節 学部・学科と工業社会(PDF)
 ところで、桑の実というのは、マルベリーである。きちんとフルーツとして扱ってもいいと思うのだが。

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