毎日社説 中東と米国 イラク安定真剣に考えているのは誰?

 これは一応、あり得る。が、解像度を上げてみると、シリアはイスラムシーア派の一派とされるアラウィ派が政権を握る国。それもあってシーア派国家イランへの親近感が強く、フセイン政権のイラクとはバース党の路線争いも絡んで険悪な関係だった。80〜88年のイラン・イラク戦争時、シリアはイランを支援し、91年の湾岸戦争ではイラクと戦っている。
 そのフセイン政権が崩壊し、イランとなじみの深いシーア派組織が主導権を握ったのに、シリアがイラク新政権の足を引っ張る理由があるだろうか。スンニ派武装勢力イラク越境を手助けし、多くのシーア派住民を殺して宗派抗争をあおっても、シリアの得にはなるまい。シリアも少数のシーア派分派を支持基盤とする不安定な体制だ。どうも「シリア黒幕説」は、素直に信じられない。

 まあ、そういう話もある。
 社説に書くことかなとは思うが。
 この手のお話は、つねにクルドをネグるのも定番……いや。

 クルド人のタラバニ大統領、シーア派のマリキ首相にも「自派のことしか考えていない」という批判がつきまとう。では誰がイラク全体のことを真剣に考えているのか。もしかして、おりの中にいる元大統領? そこまで人材不足とは信じられないが。