藤巻曰く
バブル期は「狂乱経済・狂乱物価」と呼ばれていました。ところが、実際に狂乱していたのは土地や株などの資産価格で、デフレやインフレ指標のひとつである消費者物価は、とても安定していたのです。バブル期に消費者物価が上昇し始めたのはバブル崩壊直前になってからです。
このように消費者物価と資産価格は、別々に動くことがあります。少なくともバブルの時はそうだったことを知っておくだけでも、今後の資産運用には有効だと思います。
すでに株価や地価は上昇に転じています。日本では「脱デフレ宣言」が注目され、宣言を待ってから資産運用をと考えている人もいるかもしれませんね。でも、バブル期でも消費者物価が安定していたことを考えると、今後、資産価格が上昇しても、脱デフレ宣言されない可能性さえあります。
景気回復の鍵は、GDP(国内総生産)の6〜7割を占める個人消費です。個人消費は所得に影響されると考えられがちですが、アメリカの経済学者ジェームス・トービンは、資産価格の上昇が個人消費を増やすと論じています。私も同感です。資産価格の上昇が、豊かさを生み、消費を増加させる。増加した消費で資産価格が上がる。この良好な連鎖の継続が「好景気」なのです。