朝日社説 障害者 差別をなくす千葉の挑戦

 新聞記者というのは現場をきちんと見ろよと思う。
 5年前の読売新聞の記事を引用したい。

心身障害者の泉が丘作業所 宇都宮市、複合施設整備を計画=栃木(2000. 04. 13)
◆日帰り介護機能も
 宇都宮市は十二日までに、心身障害者福祉作業所の「市泉が丘作業所」(同市泉が丘)を、授産施設と日帰り介護のデイサービス機能を備えた複合施設として整備する計画を明らかにした。市によると、知的障害者身体障害者の両方を対象にした複合型通所施設は、県内で初めて。来秋にオープンする予定で、「一人でも多くの障害者の社会参加につなげたい」(市高齢障害福祉課)としている。
 泉が丘作業所は一九七七年に開所した。市が市社会福祉協議会に運営を委託し、現在、二十一―五十四歳の男女二十八人が、電機部品の組み立てなどの作業を行っている。
 市内には障害者の作業所が十二か所、授産施設が四か所あるが、すべて定員いっぱいで、入所待ちの待機者が全体で約六十人いるという。このため、障害者が日常生活訓練や職業訓練を行う機会を増やすとともに、家族介護者の負担軽減を図るため、複合施設として整備することにした。

 差別というのは、「すべて定員いっぱいで、入所待ちの待機者が全体で約六十人いる」こういう状態を言うのだ。もっとつらい人々を物言わぬというだけで無視してきたのが、障害者自立支援法に反対してたやつらであり、見えない沈黙の差別を作り出していたのだ。
 そしてその入所待ちというのはどういう構造で支配されていたか誰も語らなかった。
 もっともつらい人からレベルを作り優先順位をつけていくというのが法だろう。これを、やつらは天下の悪法と呼ぶ。
 だが、たしかに障害者自立支援法は天下の悪法かもしれない。というのは、施設への補助は能率による。なので、「能力のある障害者が就職すると効率が下がるので、引き留めている施設もある」(読売2006.2.7)という状態になった。しかし、これは法の問題か?
 声高に差別が叫ばれているとき、声のない人はどのように置かれているのか見つめていかないといけない。というか、声高に叫ぶ者に警戒せよ。