極楽、舟の道

 ⇒セックスなんてくそくらえ - 私が捨てた女たちへ
 
 男を捨てた女は
 今生に生きるための女であるか
 来世に生きるための女であるか
 転生というものはないにせよ
 男女の仲には転生が暗示される
 
 結ばれることがない男女がなぜ今生に出会うのか
 結ばれるべき男女がなぜ今生に出会えないのか
 恋の思いがすっと生きる限界を超えていくのはなぜか
 
 ただの小さな間違いで傷を深めに憎しみにまで育てていくのも愛なら
 その舟の道の先に極楽はないのか
 
 行者宿報設女犯 (行者、宿報にて設ひ女犯すとも)
 我成玉女身被犯 (我、王女の身と成りて犯せられむ)
 一生之間能莊嚴 (一生の間、能く荘厳して)
 臨終引導生極樂 (臨終に引導して極楽に生ぜしめむ)
 
 恐らく極楽はない
 転生もない
 身を超えていく愛の意味をこの身の滅びに封じて
 男は少しだけ優しくなる
 あるいは女の優しさを見つける
 
 夕顔のさける軒端の下涼み
 男はててれ
 女はふたの物