産経社説 貸金業適正化 「利用者利便」にも配慮を

 産経がたまにこういう傾聴すべき社説を書く。

 ただ、その場合、慎重に検討しなければならないのは、少額短期の貸し付けなどで利息制限法の上限を超える特例金利を認めるかどうかである。
 特例措置を設ければ、それが抜け穴となって、結局、上限金利を上回る高利貸し付けの横行につながるとの懸念があるのは確かだ。
 その一方で、上限金利が引き下げられると、融資審査が厳しくなることは避けられない。緊急性の高い当座の資金が必要な事業者などは、貸し倒れリスクが高いと判断され、貸し手がなくなる公算が大きい。破綻(はたん)に追い込まれたり、ヤミ金融を利用するはめになったりするというのは、非現実的な想定とはいえまい。
 ヤミ金融への取り締まりを強化するのは当然としても、1週間程度の短期ならば、高い金利でも、実際に負担する利息額はそれほど大きくない。
 特例金利を適用するには、単に借り手の同意が必要というだけでなく、厳しい条件をつけてもよい。利用者利便を考慮したうえで、特例が「抜け穴化」しない方策を検討することも重要であろう。