まあ昨今の問題には関係ないが北朝鮮というのは
歴史的に考えると非常に困った問題を抱えている。
現代朝鮮人でも⇒Amazon.co.jp: 空白の北朝鮮現代史―白頭山を売った金日成(金 基燦)
空白の北朝鮮現代史 |
朝鮮民族(韓民族)が「民族の聖山」として仰ぐ白頭山は、中国と朝鮮との間で長年にわたってその帰属が争われてきた。ところが一九六二年、金日成は中国と極秘条約を結び、朝鮮戦争支援への見返りとして、この山の半分を中国に譲り渡していたのだ。東アジアに残る知られざる国境紛争の歴史をたどりつつ、民族共有の財産まで私物化し、民族に対する裏切り行為を平然と行ってきた金日成・金正日親子の罪を告発する。
この本は読みながら、私などにはくらっとするものを感じた。主張は↑のような感じ。
地図を見ないとわかりづらいが、白頭山は現在中国との国境になっている。
露骨に言うと、朝鮮人としては、白頭山がホールで朝鮮人のものだというのだ。
この本には明示的には書いてないのだが、白頭山がホールで朝鮮人のものだといとき、ほいじゃ、中国との国境はどこにあるのか?
このヒントが渤海。
日本人はこの問題を韓国と中国の歴史問題の小競り合いのように見ているが、これも端的にいうと、渤海は朝鮮民族の国だというのだからして、その領域も朝鮮なのだということだ。
地図はこんな感じ。現在の北朝鮮の国境がわかるように目立つようにアバウトな線を入れておいた。白頭山は丸で囲んだところ。
現代朝鮮人の民族の幻想の領域はこの渤海まで含まれているかもしれない。
⇒渤海 (国) - Wikipedia
韓国、北朝鮮では高句麗の遺民が建てたことを重視して朝鮮民族の歴史に位置付けられる国家とみなし、渤海と統一新羅が並立した時代を南北国時代と呼ぶ。中国では靺鞨民族を主体とする東北地区の人々が建てた中国の地方政権とみなされる。 これに対しロシアでは極東少数民族による独自政権との位置づけがなされており,中国や朝鮮半島との関連付けを否定する学説が提出さている。
現状、この渤海の領域とイコールではないが、中国域に朝鮮族は存在する。
⇒朝鮮族ネット−中国の朝鮮族に関するニュースポータルサイト
現状中国内の朝鮮族は200万人くらいと言われているが(たぶんもっと多い)。これを多いと見るか少ないと見るか微妙。ただ、この地域のマジョリティを構成しているわけでもないので、実際にこの地域を朝鮮族のものだという主張は難しいだろう。
それでもこの拡大朝鮮の幻想というのは、そりゃ幻想ですよとは日本からなかなか言いづらいものがあり、やっかいなことだ。
⇒延辺朝鮮族自治州 - Wikipedia
首府は延吉市。自治州の面積は42,700平方キロ、人口約220万人。現在、全人口のうち漢族が過半数以上の59%を占め、朝鮮族の割合は39%に低下している。
もっとも「漢族」という規定は微妙。
以下は歴史の補足。
古代の高句麗、渤海の故地であり、とくに敦化市には渤海初期の都城・東牟山があった。渤海の壁画古墳として名高い六頂山貞恵公主墓(敦化市)はこの時代の遺跡である。渤海の都はその後、上京竜泉府(黒竜江省牡丹江市)に遷ったが、自治州内には東京龍原府(琿春市)、中京顕徳府(和龍市)が置かれていた。
うひゃぁなのは。
1990年代の北朝鮮水害や旱魃と経済破綻によって、豆満江を超えて中国側に逃れる脱北者と呼ばれる人々が増加し、数万人から数百万人とも言われる北朝鮮の人々が中国や東南アジアに潜んでいると考えれらるが、多くがこの自治州にいると思われ、中国政府が警戒している。
おい、数字の間違いじゃなねーのというくらい、実は、いる。そして、これは、脱北者とかいうけど正しく言えば難民。
関連を見ていてぶったまげたが。
⇒朝鮮族 - Wikipedia
近代になって朝鮮が日本に併合されると、土地を失った朝鮮農民がさらに満州に流亡し、1932年に日本の影響下で満州国が成立すると、日本の移民政策もあって新天地を求めて満州国に渡る朝鮮人が激増した。この時は間島地区だけに限らず、満州全域に様々な職業の朝鮮人が拡散した。満州国の朝鮮人人口は一説に300万人とも言われる。満州国の崩壊と朝鮮の解放によって多くの朝鮮人が帰国したが、約100万人が中国内に残留し、これが今日の朝鮮族の起源となった。
こんなこと書いていいのかよ。きちんとした専門家はいねーのか。
中国内朝鮮族の北現ロシア領にも朝鮮人はいたのだが。
⇒高麗人 - Wikipedia
もともとの居住地は朝鮮と境を接した沿海州(沿海地方)であったが、第二次世界大戦中に中央アジアに追放された。現在の主な居住地はカザフスタンとウズベキスタンである。ウズベキスタンに住む朝鮮系の人口は110万人ほどで同国の人口の5%近くを占め、カザフスタンにも30万人ほどが居住する。
韓国は、高麗人を在外同胞とみなして支援を行っている。
ウズベクにシャレにならないくらい朝鮮人が存在している。
関連⇒極東ブログ: [書評]沿海州・サハリン近い昔の話―翻弄された朝鮮人の歴史
関連⇒極東ブログ: [書評]サハリンの韓国人はなぜ帰れなかったのか(新井佐和子)