朝日社説 日中ガス田 冷静に対案を示そう

 日本側は、中国がすでに開発を進めている春暁(日本名・白樺(しらかば))ガス田などを含め、両国から等距離にある中間線をまたぐ海域での共同開発を提案していた。中国提案はこれを退け、代わりにその北と南に位置する別の2海域を対象にするというものだ。
 驚かされたのは、そのうち南部の海域が日本の尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺の海を含んでいるからだ。この島の領有権を主張している中国にしてみれば、領土問題を棚上げして共同開発を、ということなのだろう。

 中国四千年の皇帝気分はさておき、北側の提案はさすが。
 こういう背景⇒極東ブログ: 日本の排他的経済水域に関連して
 もう一点。
 ⇒泥酔論説委員の日経の読み方 2006年03月09日

 実にふざけた提案ですが、これで中国側の内情がよくわかります。
 欧米企業がこのガス田開発から撤退したことでも推察できるように、やはりここは採算のとれない鉱区だということが明らかです。
 推定埋蔵量にしても未だ中国が公表していないのは、どうも思っていたよりもガスが出ない可能性の方が高そうです。
 日本もこんなガス田のために投資し、長々と海底パイプラインを敷設までして果たして他のエネルギー資源と競争できる価格が設定できるのか以前から疑問があります。
 中国側が、尖閣付近と未探査の東シナ海北東部の共同開発を提案してきたのは、二つの理由があると思います。
 一つには、これら白樺ガス田の埋蔵量があまりに少ないことが日本側に知られると国内外で中共政府が困った立場にたたされることを恐れているからであり、二つ目は巷間言われているように尖閣の領有について既成事実を作りたいという彼らの思惑があるからです。
 当然、日本はこの提案に乗る必要はなく、じゃあ我々は日中中間線で試掘を始めますと言えばよいのですね。
 その結果、どれだけの埋蔵量であるのか、そして輸送コストはどうなのか、これが詳らかになるのですから、それを以って共同なり独自なり開発をするかどうかを決めますよ、という話になります。

 過去の経緯から見てもこのあたりが多分真相。つまり、あそこは採算のとれるガス田ではなさげ。