嘘と事実を交ぜるのがデマの技法

 ⇒きっこのブログ: それでも食べたい人はご自由に
 ごく簡単にデマと妥当な部分を以下に切り分け。

パブリックコメントについて

 きっこの煽りはさておき、これは内閣府食品安全委員会がもう少し実態を公開すべきでしょう。

肉骨粉の混ざった飼料について

 これは問題。なので禁止するよう米国に国際社会が圧力をかけるべき。

牛脂について

 きっこはこの問題をたぶん理解していないと思う。純粋の科学的な問題と食品安全の問題が混同されている。「肉骨粉と同じくらいの感染率が報告されてる牛脂」そんな報告はないと思う。EUでは危険性の指摘はある。が、あくまでプリオンの汚染の問題。ただし、これも問題ではあるので、規制は必要。

「ニワトリたちが、どんなふうに飼育されてるのか」

 これはまったく別問題。っていうか、こういうところがきっこのデマゴーグたるところ。これを言うなら、「生卵かけご飯」を食ってそうな中の中年オヤジみたいなきっこに一言あってしかるべき。

養鶏場映像例

 これでもデマゴーグ全開。こういう事例はあるだろうが、それはそれで個別に規制すべき問題。
 というか、平和問題でもそうだけど、こういう黙示録的映像で呪縛させるのがデマゴーグのやりくち。
 数値と論理と経験、証言(言葉)で考えていくことが重要。

品川森一(独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構動物衛生研究所プリオン病研究センター長)について

 彼の意見はたしかに傾聴すべき。ただし、行政の判断手順の問題はそれとは別。つまり、行政の判断基準に民主主義として問題があったかというのが問題。
 で、今回の措置に問題があったか?
 しいていえばあったと私は思う。ただ、その前提に国際ルールに対して日本がどう向き合うのかが問われなくてはならない。
 で、そこが曖昧になったのはなぜか?
 このあたりを言うと批判されるだろうが、すでにリスクの大半は排除されている現状、トリビアルな問題化したためだろう。
 基本的に、この問題の政治性は、追米批判する文脈ではなく、それによって国内の畜産が過剰に保護、猶予されることにある。
 国際的にはBSEのリスクの高い国は米国より日本だし。ピッシング依然継続。
 参考⇒BSEをめぐる最近の問題 第2回「新たに起きてきた問題」 山内一也 財団法人 日本生物科学研究所

 このリスク評価でとくに参考にされたのは,アイルランドで行われた実験成績である。そこでは頸静脈血液についてマーカーとして神経組織特有の蛋白であるsyntaxin 1-BとannexinVのレベルを調べた結果,空気注入法の場合15頭中4頭,スタンガンにピッシングを併用した場合16頭中1頭にマーカー蛋白レベルの上昇が見いだされ,スタンガンのみでは15頭いずれにも上昇は認められなかった3)。この報告が発表された翌2000年にEU科学運営委員会はピッシングの使用を禁止した。
 日本ではスタンガンとピッシングの併用が行われている。ピッシングの中止は厚生労働省から勧告されているが,作業員の安全確保のために大部分の屠畜場で続けられている。米国では空気注入法が一部で用いられていたが,BSE発生を受けて国際調査委員会からの勧告により中止された。

 っていうか、きっこがちゃんと社会問題に関心あるなら、国内の畜産・肉流通の問題を言及すべき。
 そこがすこんとシカトされているのは、耐震偽装問題で、藤田をシカト、マンション問題をホテル問題にすり替えてばっくれているのと同じ。こんなの社会派といえるようなブログじゃないよ。

以下はデマ文の例

牛病の原因の異常プリオンは、牛の脳や目や脊髄や回腸遠位部などの特定危険部位だけに蓄積されるから、そこだけを取り除けば感染牛でさえも安全に食べられるって言い張ってるのが、唐木英明や吉川泰弘などのペテン師たちで

 それを言うなら国際ルールはなくなる。っていうか、国際ルール無視のきっこ様って何様?

こうした問題を政局に結びつけるのがデマ

 そして、こうしたデマゴーグのおかげで、真面目にBSEと食の問題を考えている人の立つ瀬がなくなってくる。