据え膳食わぬは男の恥とか言うが…

 食わんかった。
 なんか、そーゆーのが自分の潔癖な倫理観みたいな…自己満だった。そういう自己満男というのがサイテーなのだと思う。
 じゃ、一口、って洒落はなしというか、ま、もう若こうもないし、そういうのも縁もないというか、縁を作らない。揉め事の種は避ける避ける。
 で、食わんかったとかいうが、思い返すに、(1)本当にそういう情況だったのか、回顧してそう思ってだけかよ、(2)いや今にして思うとそういう話だったかもねと、若いときはまんざらでもねーかほっほっ、(3)その他、道頓堀の夜は更けてなど、…さあ。記憶というのはよくわからない。
 ただ、ま、据え膳ってのは愛ではなくて、若いときは、なんだかんだ愛に飢えていてというのはあったかと思う。そのあたりはけっこう支離滅裂だった。性欲とか云々とかもだが、根のほうに発狂しそうな孤独があった。あれはなんだろ。存在の本質として別に孤独がどうなるものでもないし、多分に自己憐憫だよなとは思う。
 ってか、自己憐憫なんだよな。とほほなくらい。
 でも、そんな自己憐憫にすがって偉そうにしているわけで云々。
 つうわけで、しごく、抽象的な話でした。
 あ、急に思い出す。25年も前? げげげ、え、25年前かよ、ポンギでなんか踊りまくってって、なんか年上の女とかいて、酔ってて、チークタイム? とかで…伏せ字…だが、彼女、これから結婚するのとか俺に言っていた、ふーん、おめでと…って答えるしかないじゃん。
 あんとき、すげー年上に思えたがそれでも彼女は30前だったか。
 そんだけ。まるでそんだけ。