栗本慎一郎の古代史のこれ

シリウスの都 飛鳥―日本古代王権の経済人類学的研究



著者:栗本 慎一郎

販売:たちばな出版

価格:\2,310

媒体:単行本



通常24時間以内に発送

 ざっと読みました。
 他人の褌っていう感じでまいった。
 大筋でいえばこういう線は考えられるし、新羅のスキュタイ問題もこの線から解けそうではある。
 ただ、読みながら、なんか頭がずきずきしてきた。もうこの領域に足を突っ込むのはやだなというか。
 この本についていえば、ディテール(彼なりのディテールなのでしょうが)が大切なのに結語でも経済人類学的な意味が重要だとか天皇論とか日本社会論とかに栗本さんはリダクトしているわけで、ちょっと、萎える。というか、それが言いたいなら、10年前までの著作で十分。
 栗本さんは奈良の王朝の歴史はよくわかってないのかもしれないけど、こんなの家系図を見ればすぐにわかることだが、長屋王謀殺はその女系を見れば、王家は蘇我氏が実体であることは明か。というか、この時代の先代までは蘇我氏が大王家だったのだろう。
 ということで、その奈良朝の政治ダイナミズムが、いわゆる日本書紀を作り出し、日本史の原点に欺瞞を置いてしまった。古事記に至って平安初期の偽書
 つまり、この時点の権力のダイナミズムを具体的に説くことで、日本史の根を引き抜くほうがいい。
 ただ、この問題は着実な方法論的にはデッドではあるなと思う。