産経社説 6カ国協議合意 北の透明性確保に全力を

 というのも北朝鮮は一九九四年、米国との間で核開発凍結を約束した米朝ジュネーブ合意を無視し核開発を進めている。このジュネーブ合意無視が今回の六カ国協議の発端だったことを国際社会は忘れてはならない。またそれより以前、北朝鮮はすでに韓国との間で一九九二年、朝鮮半島の非核化をうたった共同宣言に調印しているがこれも平気で無視している。
 北朝鮮は国際社会での合意文書などその気になればいつでも無視する。したがって北朝鮮との交渉事では合意はそれほど重要ではない。

 共同声明によると、北朝鮮は一切の核兵器と核開発計画を放棄し、核拡散防止条約(NPT)に早期復帰し、国際原子力機関IAEA)の査察を受け入れるという。言葉だけ見れば北朝鮮に核開発を放棄させることに成功したことになるが、北朝鮮が「米国に侵略の意図がある」とか「エネルギー支援が足りない」と一方的に判断すればいつでも約束は無視できるのだ。
 たとえば米国をはじめ国際社会は最近、超独裁政権下の北朝鮮の人権問題に関心を高めているが、北朝鮮はこの人権圧力を「侵略」「体制破壊」として合意破棄に利用するといったことなど平気でやりかねない。北朝鮮はこれまでもそうしたやり方で一方的に合意を破ってきた。

 とりあえず、産経だけがまともな社説。