だから郵政民営化が必要という結論が妥当なのでは

 これの続き。
 ⇒finalventの日記 - 郵政問題関連補足
 最初におことわり。
 不毛なタメの議論がしたいわけではなく、問題自体がクリアに説明できれば、それでいいので、私は持説にこだわっているわけではありませんよ、と。
 私の問題意識の背景。
 私は無意味に特殊法人の仕事を減らすべきではないと思うし、改革は緩やかに行うべきだと考えている。だから、財投債(事実上の国債)については、それが国に必要なら国がやるべきだし、基本的にそれは損得の問題ではない。利益なんかでないでよろしい。赤字でよい。しかし、利潤の出るものなら、民間でやればいい。その峻別点を曖昧にするもの(財投機関債)からまずお掃除お掃除。
 で、問題。
 財投機関債を視点に郵政民営化を見てみようかね、ということ。
 なぜ、財投機関債に着目するか?
 これが2001年からの財政投融資改革、その行政改革大綱の一つの象徴的な結論でもあったし、この成立のために、「財投は郵政のカネの垂れ流しではなく、市場を介している」という口実を与えるきっかけになったから。
 財投機関債とは、公団や公庫などの特殊法人(財投機関)が、資金調達のために発行する債券で、企業の社債に相当するもの。重要なことは、それが政府保証ではないということ。
 問題の核心は?
 それが嘘だということ。事実上は政府保証がついている。
 政府保証が付いているということはそれが事実上国債と同じだということ。
 だったら、なぜ明確に最初から国債にしないのか? そのほうが合理的。
 財投機関債を出せるような業務は民間にすべきだし、そういかないものは明確に国の事業にして国債でまかなうべき。
 現状は、嘘の上に乗って、特殊法人が勝手ににカネを集めてその赤字を国民のツケに回している(国債はやがて重税になる)。
 この構造は変ですよ。赤字になるならなるで最初から決めておくべき。
 で、この財投機関債を潰したと仮定して、特殊法人(財投機関)はどうなるのか。どのくらい生き残るのか? それを明かにしてほしい。ダメならダメで整理に着手してほしい。
 どうやったら実態が明らかになるのか?
 いわゆる特殊法人改革はダメだったわけですよ。
 だから、この闇の政府保証っていう構造そのものの息の根を止めるべきでしょう。
 まず、この偽の政府保証を停止する作戦が必要。
 偽の「信用」を壊していくことに目を向けるべき。
 というか、それが壊れるなら類似の構造が変わるのではないか。
 もっとも、財投機関債よりも、類似構造のいかがわしい信用のほうが問題。
 どうやったら、暗黙の政府保証というものが停止するか?
 繰り返すが、過去の経緯では特殊法人改革とかいわゆる出口論ではだめだった。
 というか、出口論がダメの象徴として財投機関債の存在がある。
 だから、カネを出す側の信用のベースである郵政を解体する=民営化するしかないのではないか。
 そいつのケツはもう政府じゃないんだよ、と。
 こんな財投機関債のような鵺のようものをゆるさないように、カネの管理を明白にさせるように国から郵政を引き離せ。
 民営化すればそれがすべて金融庁の管轄下におかれる。
 郵政を民営化しなければ、この350兆円が総務省管轄のまま。
 金融庁と別立ての巨大銀行の存在ってどうよ? そんな二重の金融体制を持つ資本主義国家はありませんよ。
 郵政民営化にはいろいろな側面があるだろうけど、私としては、特殊なポジションの人たち(特殊法人など)が勝手に政府担保(国民の税金担保)でカネを借りるという現在の「公」の仕組みをなくしていくということで、とにかく郵政民営化は重要だと思いますよ。
 おまけ。嘘つきリトマス
 その1、「特殊法人や政府などの公的部門への資金流入は、市場原理に基づいて行われている」とか言う(財投機関債の嘘にほっかむり)。
 その2、郵政民営化について総務省の関わりついて黙っている。