料理…

 たいした食材でもなく、とりあえずの食材で、そそそっとうまいものを作り出す一群の人々がいる。
 これが料理人でもなく、普通の生活のなかで普通に存在していることがある。
 ある意味で不幸なのは、そういう母親(父親)をもった子どもで、世の中に出るにつれ、浮いてしまう。というか、ま、とりあえずなんでも喰うのだが違和感だけは残るのだろう。
 私の母(父)はあまり味覚のいい人ではなかったと思う。
 自分もそれほどではないのだろうが、親から離れていちばんホッとしたのは、自分の味付けで喰うことだ。
 話を戻す。
 たいした食材がなくてもうまいものはできるのか?
 結論はわかっていて、そこそこにできるというべきなのだろう。
 味噌汁とか、味噌がダメだと、どうしようもない。
 そして、その味噌がたいていはダメダメだと思うのだが…。ま、しかたないのか。