ちょっとだけ靖国…

 私は率直にいうと、靖国を大切にしたい人のために、国家の体面のメモリアルは別に作ればいいのではと思いますよ。沖縄の、平和の礎みたいに。あれはあれですごい問題があるのを知っているけど、書かないよ、と。
 私が気になるのは、歳食って、少しずつ死にかけているからか、死者との契約が気になりますね。
 私たち日本人っていうのは、あの戦争でなくなった若者の言葉を広義には託されている、その契約を破棄できないだろう、と。
 私の叔父は私が生まれる前に二十代前半で死んだ。というか、インパールで殺された。靖国にいるらしい。恥ずべきことに父が死んでから追悼にも行っていない。父はことあるごとに普通に追悼していた。祖母もそうだった。そこには、暗黙裏に死者との契約があったと思う。
 あと、ちょっと放言だけど、そういう身近に靖国と関連ない人が、この問題で、どういう方向であれいろいろ言うのを、私は本当のところで、聞く耳もちませんよ。私は父からその契約を暗黙裏に継いでいるという思いだけがすべてです。