今日の新聞各紙社説は…

 特にテーマはない日ということか。人民元問題(つ・ま・り米国議会問題)など小出しで触れてもよさげだが、ない、と。
 気になったのは読売のES細胞話で、社説はすっとぼけているが、これが国民的な問題であるのはたしか。とはいえ、米国様の属国日本としては、米韓の様子見。ただ、もし韓国にグレートな人間がいると、これは大変なことになるな。韓国人というのは時としてとんでもないスケールの人間を出すので、ちょっと恐い。

●日経社説 買収防衛策の透明な運用をめざせ

 ほとんどパス。というのは、問題が明後日向き。つまり、問題は健全な経営ということでしょ。防衛じゃなくて。

●産経社説 国債の海外広報 「円経済圏」につなげたい

  ァ  ∧_∧ ァ,、 
 ,、'` ( ´∀`) ,、'` 
  '`  ( ⊃ ⊂)  '` 

●産経社説 JR西事故1カ月 調査委の態勢強化も重要

 ま、よい社説かな。

 だが態勢は万全に程遠い。学識者の委員十人で航空・鉄道の部会を設け、その下に専門の調査官を置く。鉄道は九人という陣容だが、すでに土佐くろしお鉄道暴走事故(三月)、上越新幹線脱線事故(昨年十月)という重大案件を抱える。

 これがけっこう重要。

●毎日社説 国債格付け 借金減らしの好機が来た

 いや毎日新聞とはよく言ったもので、こう毎日、イケイケの社説っていうのも豪勢なものであるな。どこに逝くは言及するまでもないが。
 これって産経のプチ保守と同じように、意見の商品パッケージ化なんだろけど、どのマーケットに売れているのやら。
 とちょっと皮肉が入るのは、本体の経営大丈夫か、ちと心配になってきたぞ。

●毎日社説 視点・マニフェスト連盟

 どうでもいい系。

地方議員が共同でマニフェスト作りに取り組むことで、将来的には中央政党の枠組みを超えた新しいローカルパーティー(地方政党)が生まれ、それが中央政界を揺さぶる−−そんな状況を期待したい。

 にしてもオチがしまらないなぁ。というのは、これがオチになっていない。つまり、この問題エッセイとしての枠組みはたてたものの、当の問題を考えていないげ。
 「中央政党の枠組みを超えた新しいローカルパーティー(地方政党)」って具体的にどうなんですかね。そういうのって洒落にしかならんのでは。

●読売社説 [近代化遺産]「保存に欠かせぬ地域住民の熱意」

 これは、大筋では、地方行政の経営の問題だと思う。皮肉な意味ではなく、がんばっちくれという以外ない。しいていうと、遺産をどかんと財団に残すみたいのがきちんと運営できるかということか。

●読売社説 [クローン技術]「海外の進展を座視していいのか」

 標題はアレだが、ES細胞議論。

 このままでは日本は、世界から取り残される。海外で実用化されると、患者は渡航し、高額の医療費を費やして治療を受けるしかなくなるだろう。

 こんなフレーズ、洒落じゃなくて読むのも一興かと。
 で、ES細胞研究はどうあれと? これこそ、国民の全体議論が必要という以外はないだろう。しいてどちらかと言えば、研究すべきだと思う。
 理由⇒極東ブログ: [書評]あなたは生きているだけで意味がある(クリストファー・リーヴ )

●朝日社説 長良川堰10年 この惨状をどうする

 これはひとまず朝日の言い分どおりではないかと思う。
 長良川堰はなんだったのだろうか。
 もっとも、結果をもって過去を断罪するだけでは幼いが。

●朝日社説 認知症予防 思い出で心いきいき

 エッセイとしてはおもしろいが。

 回想法は高齢者の心理的な安定を高める心理療法だ。認知症を患っても、昔のことは比較的よく覚えている。記憶をかき集めて生きてきた道のりをたどる。脳を活性化させるとともに、過去の自分の姿から今の状況に向かう勇気をもらう。

 こうした説明は論理的でもなく(医学の言葉たとえば「心理的な安定」と、日常の言葉たとえば「勇気」が混乱)、科学的でもないと思うが。
 ある種の善意の雰囲気みたいなものから念力主義的によい結果がでるというのは朝日的思考のパターンだが。