パンを作ることは…

 私にとって、糞転がしが糞を転がすみたいなのもので…もう…。
 最初に作ったのは小学生のときか…。学研の科学か学習の付録でイーストのセットがあった。
 面白かった。
 とはいえ、大学にいるうちは作ってなかったのでいつから今の糞転がしになったのか定かではない。
 スーパーかなんかでイースト見かけて、買って、適当に作った。
 確信があったのだ、パンなんって、どうやってもできる、と。
 それに旧約聖書にも種なしパンの話があるが、もともとパンなんてそんなもの。
 やればできる食い物だ。
 実際、できた。
 小麦粉にイースト(種)入れて、発酵したら焼けばいいのである。それだけ。
 鍋で焼いた。パンなんて鍋で焼けるのである。
 適当に捏ねたのが発酵したら、潰して、鍋に入れて鍋でだいたいパンっぽく膨れたら、そのまま焼くのだ。
 厚手の鍋ですごい弱火(遠火)で30分くらいで焼き上がる。
 あれから20年近く数日おきにパンを焼いている。
 沖縄暮らしの途中でベーカリーマシンを買った。捏ねはもう自分ではやらない。焼きも自分ではやらない。
 恥ずかしながら、自分で作るパンが一番うまいと思う。