今日の新聞各紙社説は…

 特にメインの話題もない。毎日新聞の中絶話が気にはなる。
 うまく言えないし、言うと変な話になるのだが、日本の中絶の高さは、子供や若い人の無意識を蚕食していると私は思う。子供はなんとなく身近な親や大人や社会から、無意識的に「お前を殺すかもしれなかったけどな…」というメッセージを受けているのだ。
 このあたりの感性は学者とかは持っているか、あるいは文学者は、…と言うまえに、私が狂人扱いされかねないので、言うにつまる。ので、ここまで。
 いや、一言だけ、大人の男が、子供に「お前が生きていることが俺は嬉しい。お前が生きるために俺は生きている」という無意識のメッセージを出さなくてはいけない。どう出すかというのは、基本的には生き様の問題なのでむずかしい。

●日経社説 保守路線を引き継ぐ新法王

 台湾はぁ?と突っ込む。

●日経社説 明暗交錯、米国経済は大丈夫か?

 ネタとしてわからないでもないが、その前に、中国、EUそして日本は大丈夫かと問わないと話にならんと思う。

●毎日社説 少子化 看過できぬ中絶32万件

 これはよい。というか、良い方向に予想がはずれてうれしい。

厚生労働省の統計によると、03年度の人工妊娠中絶手術は31万9831件を数えた。出生者数の3分の1弱に相当し、実数は倍以上に上るとの声もある。

 問題はそこなのだ。私は日本の中絶率が高すぎるとかつてよく書いた。それに対して、統計をみるとそんなでもないですよとコメントをいただいた。それって本当だと思いますかと返答すると、いやと回答を得たように思う。そこで議論は終わる。実態が数字になっていないからだ。
 中絶率の高さと隠蔽は実は日本社会の、というか日本の歴史、文化の大きな問題だ。
 が、もうあまり議論したい気にもならない。

●毎日社説 参院憲法報告 歯切れ良いのは二院制だけ

 単純に思うのは、くだらない。日本の二院制は意味ない。二院制自体が意味ないわけでもない。
 日本国憲法は連邦制を念頭に書かれていると私は思う(nationとstateが言い分けされている。とすれば二院の意味もそこから演繹されるはずであった。が、歴史はそう進まなかった。今となってそれを蒸し返す気もないが。

●読売社説 [『反日』デモ]「綻び始めた?中国の情報統制」

 いい加減なことを書いていると思う。

 急成長する経済と閉鎖的な政治システムの生む矛盾が、“チャイナリスク”を生んでいるのではないか。

 ちがうよ。開放的な政治があれば中国自体が成立しない。それでいいのか?いいわけないでしょ。
 ところで問題はシスコのルーターか?

●朝日社説 企業買収 目の敵にするのでなく

 最後の蛇足がなければ90点の社説。

●朝日社説 郵政民営化 また「小泉劇場」なのか

 問題は小泉ではなく郵政問題の結果。結果の最大ポイントは、郵政が貯め込んだ金を誰が管理するかという一点。郵便事業などはとりあえずどうでもよい(国家が運営すべき)