そういえば…19歳のある早朝…

 新宿駅西口からでると、自分より年上か同じくらいか、しゃがんでアンパン。まだ、ヒッピーみたいなのもいたような。あれから30年か。紀伊国屋は外見にはあまり変わらない。久しぶりに伊勢丹を見上げたら(伊)の看板があった。あれって、10年前そうだったけ? 忘れた。
 伊勢丹にはそういえば、ガラス越しの小さなスタジオがあって、私は、そこで山口百恵とか桜田淳子を見た。どっちも、実際に間近でみると、小さな、くりっと可愛い女の子ではあった。テレビと同じだなと思った。他になにを思っただろう。
 そういえば、世界堂はどうなっているのだろう。移転したか。なぜか、けっこう、あそこにしけこんでいた。紀伊国屋世界堂。なんか青春だなぁ。孤独だったなぁというか、人生こんな孤独なものかと。御苑に入って、鳩とかぼんやりよく見ていた。あのしだれ桜はまだか。ある意味、新宿は変わらない。
 新宿と四谷の間は、よく歩いた。私は走るほどの早足なので、そのくらいの距離はなんでもなかった。六本木から三田とか、六本木から四谷とか、すいすい歩いていた。四谷にはいとこの下宿があったっけ。信濃町にも友だちが暮らしていたか。四谷駅のところの、中央出版は今でもあるのか。エンデレとかはどうか。上智の食堂には鮨屋はまだあるのだろうか。ま、どうでもいいか。市ヶ谷駐屯地もないのだよね。