森有正先生のこと
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アマゾン評が興味深い。
彼女は苦しみながらもひとりで立つことを選び、それゆえに彼から遠ざかることにもなった。上質の恋愛小説を読んだような読後感があった。一連の哲学的な著作からは想像しにくい、森有正の思いがけない素顔を見ることができる貴重な本でもある。
つまり、そのあたりが引く。
えげつないことを言うが、森有正の本質は人間の獣性ということでもある。性欲において強欲な人であったのではないかと思う。実際の性行為の場というのはなかなか推測しがたいが、西洋人なみの、あのひりつく乾きのような性を抱いていただろう。女たるものそこまで関わらないとこの人は見えないだろうと思うがそれはどうなのか。
日本語の古語で「知る」とは情交を意味するが、なるほどなと思う。性の問題は語るに下品になりがちだが、あまりに本質的だ。