「小腸における遺伝子発現調節因子としての栄養素の役割」

これまで演者らが観察してきた知見をもとにすると、栄養素摂取に伴う消化・吸収関連遺伝子の発現増大は、吸収細胞における転写の亢進によって起こり、転写因子を介して栄養素の情報が転写調節をもたらすという仮説が導かれる。核内レセプターを介した転写の調節という原理は、これまでホルモンの作用機構の研究から明らかにされ、最近ではビタミンの作用機構にも拡大されつつある。これが、糖質や脂質を含めた栄養素一般にまであてはまる概念になりうるか、実験的な知見をさらに積み重ねることによって明らかにしていく必要があると考えられる。

 ひょぇ。