ワークショップ 肥満症Q & A ワークショップ 肥満症Q & A

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jasso/qa/pdf/sa_90.pdf

それから体重減少療法を行うと,どの程度の人が体重を維持できるかという,いわゆる減少体重維持率ですが,正直にいいましてこれは非常に悪いのです.かなり以前のことですが,入院治療でVLCD(very low calorie diet)療法を80名くらいの方に行い,約2年後にアンケート調査をしました.VLCD療法によって減らした体重量のうち,その50%くらいまで体重が戻った人,100%以上戻った人,というように区別して結果をみましたところ,体重の再増加が減少した体重の50%以下であった人は約25%しかいませんでした.この25%という数字は回答した人のなかの25%で,アンケートの回答率も50〜60%でしたので,治療した人の8人に1人位の割合になります.減量できた体重を維持するのは難しい,おそらく1回体重を減らしても,その維持率は非常に悪いということです.これはわれわれがVLCD療法を入院してやらせることを,積極的にしなくなった理由の一つです.いくら入院して体重を減らしても,退院後の生活習慣が入院前と変わっていなければ戻ってしまうのではないかと思います.ただ患者さんがお医者さんにお任せして体重を減らしていただきましたということでは,肥満症の治療にはならないというふうに思っています.

 へぇ。