第151回国会 衆議院 総務委員会 08号(2001/03/16)

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○大出委員 ありがとうございます。
 その関連でまたお聞きをしたいのですが、ただいま、報道の自由あるいは編集権が侵害されていないのだという認識だったと思います。そこで一つお聞きいたしますが、報道によりますと、番組制作局長が大物議員に呼び出されたという報道が実は出ているんですね。こういう事実があったかどうかお答えください。

○松尾参考人 番制局長がこの件で呼び出されたという事実はございません。

○大出委員 もう一つは、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、制作関係者に抗議や脅迫の電話が殺到したというんですね。抗議はいろいろな抗議があるでしょうけれども、脅迫の電話というのは穏当でございませんので、そういう場合だったらしかるべき手段をとらなければいけませんね、表現の自由の国ですから。そういう意味で、そういう事実があったのかどうか、お答えください。

○松尾参考人 放送前と放送後との、中での違いはあります。
 放送前というのは、言ってみると、さまざまな意見がやや高圧的に出てくるということはいつもあります。これは紅白歌合戦でも同じです。ある歌手についてとめようと思ったら、そういう形で出てまいります。したがって、これは視聴者センターがきちっと対応して、現場にプレッシャーがかからない形というので私どもは対応しております。
 番組が終わった後、これは絶えず私ども、番組のつくり方、表現の仕方、内容等について反省すべきは反省して次のステップに向けていくわけですから、これについては約五百本近い、さまざまな形での、再放送してくれということも含めて御要望は聞いており、それはいろいろな意味で分析しながら、担当者は勉強しているということでございます。

○大出委員 それではもう一つ、放送時間を短縮したと、実は批判の中で言われたりもしております。放送時間短縮というのは、問題になっているのは二回目の、一月三十日の「問われる戦時性暴力」のところなんですが、四十分になっております。いろいろな報道の中で、最初は四十三分版をつくらされて、さらに上層部の指示で四十分になったのだというようなことが書いてあるんですね。そういう問題があるのだということが言われております。
 あとはタイトルの変更もあった。最初は「日本軍による戦時性暴力」から「問われる戦時性暴力」に変わったのじゃないかというようなこととか、あるいは、取材者が加害兵士に取材をしたらしいのですが、使われていないという事実について、多分横やりが入ったのではないかと思いますが、編集権の独立という観点から、どのようなお考えでしょうか。

○松尾参考人 まず放送時間の問題でございます。
 これは一つの時間帯の目標、例えば四十四分、これは決めてございます。ですが、いろいろな事情で、内容がそれだけのものを持っていないとか場合によっては延びてしまうというのは、日常茶飯で起こっております。そのときには、例えば一分の広報番組をやめたり、視聴者の方はほとんど気づいてはおられないと思いますけれども、さまざまなそういう手だてをとっていくのが編成でございます。
 したがって、今回、現場からは短いという情報を得たので、編成は、それでいいですよ、それでは、違う広報番組をそこにちょうど入れるのがあるから、どうぞその範囲で結構ですという返事をしたということが事実でございます。
 それから、タイトルでありますが、これにつきましても、私ども、毎日朝、編集会議をしておりまして、一週間のタイトル、それからその翌日のタイトル、当日のタイトルということで、各局長が全員集まって、さまざまな角度から意見を出しています。それで、その都度、やはりこれは内容をよく伝えていないな等々のことがあれば、絶えず放送ぎりぎりまで変えることは多々あります。
 したがって、この番組だけが突然変えたということでは決してありませんので、他の番組も、わかりやすい、それから内容を誤解されない、そういうことも含めての一番いいタイトルへ絶えず持っていっているというふうに御理解をいただきたいというふうに思います。
 以上です。