毎日社説 新防衛大綱 自衛隊も変革・再編が必要だ

 問題提起はよい。

 そもそも、防衛大綱を見直すのは、ミサイル防衛(MD)システムの導入を決定したからだ。そのMD導入の推進役は石破茂防衛庁長官だった。1兆円ともいわれるMDを導入すれば、他の装備品の調達など防衛予算全体にしわ寄せが出るのは明らかだった。
 このため政府は昨年12月にMD導入を決定した際、「弾道ミサイル防衛システムの整備等について」という文書を閣議決定した。文書では日本が本格的な侵略を受ける可能性が少なくなったとして、従来装備について「適切に規模の縮小等を図る」と明記。具体的には戦車や火砲、護衛艦などの正面装備を挙げた。

 この先がいけない。

 しかし、防衛庁は納得できる削減案を提示しなかった。その結果、予算を大幅に抑制するには人員削減が効果的だと考えた財務省陸自定数を4分の1も削減する案を突きつけられた。
 陸海空各自衛隊がそれぞれの論理で装備の充実を要求するのは当然としても、防衛庁としてそれをきちんと調整しなければならない。今回、調整機能を十分に果たしたかどうか疑問だ。

 逆だ。
 防衛庁は命をかけて国を守っているのだ。算盤をはじいているやつらの言うとおりになる必要などない、なんて言うと軍国主義者か。
 願わくば、この問題をもっと国論とすべきだ。MDは愚劣だ。